とても大切な気づきをもらえたので、ざっとまとめておこうと思います。
先日、「アスリート未来キャリア会議」というものに参加してきました。
主催はバルドラール浦安荒牧太郎選手。
身内向けのキャリアセミナーという感じです。
これからいろいろとアクションを起こしていこうというところの、第一歩。
ファシリテーターの方((株)フューチャーセッションズの上井雄太さん)がいらっしゃって、ワールドカフェをやりました。
ワールドカフェをやるのは大学生以来。
対話に近いものは前所属のチームを作る過程などで行ってきましたが、ワークショップとしてやるのは久しぶりでした。
といっても、今回はそこまできっちりしたルールのないラフなもの。
これからクラブ内で対話を行っていく土壌づくり、といった印象を受けました。
あまり深く触れませんが、テーマはもちろんキャリアについて。
チームメイトやスタッフ、外部からのゲストの方など含めて、活発な対話が生まれていました。
自分自身は最近、自身のキャリアというよりは業界をいかに盛り上げて、いかにお金を生み出していくか、という部分について考えていて、今回のセミナーはその考えを深める良い機会でした。
誰しもが30代・40代になれば結婚をして、子供が生まれて、家庭を持つことになります。
そうなれば、今の給与のままじゃ暮らしていけなくて、フットサルから離れる人も増えてくると思います。
それは業界にとってとても大きな損失ですし、結局のところ負のスパイラルにしかなりません。
業界を盛り上げていくためには、ユーザーやファンが楽しむだけではなく、プロバイダーが十分な暮らしを実現して、フットサルに対する情熱を保ち続けられるようにすることが必要不可欠だと思います。
ではプロバイダーとユーザー双方がより良い関係性を築くためにはどうするか、というところで、フットサル業界全体が今行き詰っているんじゃないかなと思います。
それは資金面の問題であり、ハード面(施設等)の問題であり、ソフト面(内容)の問題でもあり、要するに全ての面において改善の余地があります。
というわけで、ざっと現状を踏まえて相関図みたいなものにまとめて整理してみました。
手書きで、しかも字が汚くて非常に見苦しいですが…
他にも色々要素はあると思いますが、自分が感じている範囲ではこれくらいです。
(ご覧になった方、気づいたことや補足など、お願いします笑)
この現状を踏まえて、自分がちょっと力を入れたほうが良いなと感じるのはスポンサー様への「還元」活動と、行政とタイアップした「社会・地域貢献活動」です。
他にも考えていることはあるのですが、今回はこの2点について。
まずスポンサー様への還元活動について。
フットサルに限った話ではないですが、Fリーグや地域リーグに属するクラブはまず間違いなくスポンサー様に支えられています。
スポンサー様からの資金・物資等の援助があってようやくクラブは活動ができます。
そして、スポンサー様からの援助の見返りとして、クラブはユニフォームや試合会場にスポンサー様の広告を背負って戦います。
スポンサー様(ほとんどの場合は一般企業)は、クラブを応援したいという気持ちはもちろんですが、クラブを通して企業の存在を知ってもらいたいという思いやイメージアップを図りたいという思いがあるはずです。
営利企業としてフットサルクラブに「寄付」するのではなく「出資」しているのですから、当たり前の事ですね。
クラブとしては、スポンサー様からの出資に対してスポンサー様の広告となる事で「還元」をしている事になります。
そして、クラブが結果を残し、人気を獲得し、アリーナに多くの人が足を運ぶ事でその広告はより一層意味を持つ事となり、その還元率は上がっていきます。
これは、ピッチ上で果たしていく役割であり、選手・スタッフが純粋にフットサルに取り組む事で果たされる事です。
要するに毎日練習して、良い試合をして勝ちまくってスポンサー様に喜んでもらおうという事です。
そして、上記の過程には、クラブがFリーグの試合の場で果たすべき事以外にも、「イメージアップ」の為にクラブスタッフ含めた当事者の素行面や人間性なども関わってきます。
所謂「スポンサー様の看板を背負っている意識」ですね。
これ、かなり重要です。
フットサルクラブがフットサルに全力を注ぐ事はあたりまえですが、フットサル以外の面でスポンサー様に還元をしていくという意識・考え方は、ビジネスの考え方になってきます。
そのビジネス感覚を、クラブ全体で持つ事ができるかというのは、今後とても重要になってくると思います。
スポンサー様はクラブの為に出資をしてくれている。では、自分達はスポンサー様の為に何を還せているのか?
これを考えていく事は、スポンサー様とWin-Winの関係を築き、発展させていく上で絶対に必要です。
そして、スポンサー様との関係が発展していけば、それは新たなスポンサー様を獲得する事や、スポンサー様との間に新たな価値を生むことにも繋がっていくはずです。
「スポンサー様への還元」については、すぐに具体的な取り組みができるはずなので、業界全体として今一度見直していくべき点だと思います。
もう一点は、行政とタイアップした社会・地域貢献活動です。
これは、フットサルの競技特性や事業規模を考えて企画が出来れば、すぐに良い取り組みができるはずだと思います。
競技特性という部分でいうと、まず競技人数が半分以下で済みます。
1試合の最低必要人数はフットサルが10人、サッカーは22人です。
競技を行うスペースも約6分の1。
屋外コートでのイベントが多いですが、正確には体育館競技なので天候に左右されにくく、競技ルール等も含めてサッカーよりも敷居が低いとされています。
事業規模という点では、サッカーと比較した場合、Fリーグの1試合あたりの観客動員数を(かなり単純に考えて)約1000人とし、Jリーグの動員数を(これもかなり単純に考えて)約1万人とすると、Fリーグの1試合あたりの事業規模はJリーグの約10分の1です。
競技場の規模も、付帯設備を無視した単純な客席込みのアリーナの大きさだけで言えば、サッカーのピッチの中にすっぽり収まります。
競技人数も半分以下で、仮にプロクラブの人件費として比較しても、Jリーグクラブの半分以下ではないでしょうか。
こういった特性を考えると、サッカーよりも狭い範囲での地域貢献、小さい事業規模での社会貢献といったところに、フットサルが活きる道があると思います。
広いグラウンドを押さえなくても、小さな体育館で10〜20人を相手に行うイベントを短い周期で定期的に開催していけば、恒常的に地域社会とのつながりを持てますし、市民一人一人と密にコミュニケーションを取ることが出来ます。
イベントの内容も、ただフットサルをするだけでなく、様々な分野の方とコラボレーションしたり、様々な立場の人に配慮した企画を立ち上げたり、アレンジもしやすいと思います。
サッカーの規模ではカバーしきれない部分での活動をフットサルが担えば、行政としてもやる価値があると思いますし、やりやすいのではないかなと思います。
そして、そういった社会・地域貢献活動が、フットサルに「社会的価値」をもたらしてくれると思います。
社会的価値を得ることで、その先にある可能性が大きく広がります。
とても地道で目に見える効果が少ないですが、謙虚さを持って続けていかなくてはいけない部分です。
もちろん既に実施されていることも上記に当てはまる場合が多いので、良いモデルケースとして考えることができると思います。
そういう部分を吸収して、またそこからより良いものを作り出していくことが大切ですね。
現状に満足しないこと。
以上、ものすごくざっくりしてしまいましたが、ここ最近はこんなことを考えています。
「スポンサー様への還元」という部分については、大学を出てから3年間サラリーマンをやっていた経験からくるものです。
営業職でしたので、お客様の期待値を如何にして上回るかということを考えていて、そこに感動が生まれたり新たな価値が生まれたりすることを学びました。
それをどうやってフットサルに活かしていくかというのは、自分だけの視点では考えが及ばない部分もありますので、ぜひ色んな方と考えていきたいと思っています。
「行政とタイアップした社会・地域貢献活動」については、アスリートキャリア未来会議での対話がヒントになっています。
まさしく異業種や異なる考え方の人達とのセッションが新しい価値を生んだと思います。
第2回目以降もとても楽しみですし、ここで得られた気づきやアイディアをしっかりと未来につなげていきたいと思いました。
今フットサルには、多角的な未来が必要だと思います。
Jリーグというモデルケースは有りますが、上記のように競技特性や事業規模の違いがあり、地域性も異なるという点で、(フットサルとサッカーは同じフットボールであるとは言え)全く同じようには発展しないと思っています。
そこで今回のようなファシリテーションによる建設的なワークショップが、「フットサルに必要な未来」を作り出す為に必要だと感じました。
様々な立場の人が新しい価値を創造する為に集まる場がある。
それはもの凄く貴重で素晴らしいことだと思いますし、その人達がフットサルというツールを使ってひとつになれるのであれば、自分が思う「フットサルが必要な未来」にも近づくんじゃないかなーと、思い始めたりもしてます。
そんな気づきをもらえた12月でした。
年明けからの動きが楽しみです。
以上!
お粗末様でした。