2015年10月25日日曜日

図書館戦争

先日、かなーり強引に時間を作って、映画「図書館戦争 THE LAST MISSION」を見に行ってきました。
結論からいうとものすごく面白かったです。
自分は図書館戦争の原作も好きで、それも含めた感想とか、思ったこととか、せっかくだから備忘録に、ということで書いておきます。

もともとは有川浩さんの原作小説(全6冊のシリーズ物)があって、それがまず大ヒット。
その後数年経ってからアニメ化・アニメ映画化・実写映画化と、タイムラグがありながらもどんどんメディアミックスされていき、ついに実写映画第2弾が公開されました。
副題が「LAST MISSION」となっているので、ここで一区切りついたのかなという感じ。

ちなみに、自分はもともとアニメから図書館戦争に入ったクチです。
アニメシリーズ放映当時に自分は大学生で、メディア系の学部にいたこともあって、アニメ作品はよく見ていました。
図書館戦争のアニメシリーズは今でも1番好きなアニメのひとつです。

自分が何故この作品に惹きこまれたかというと、「現実離れしているけど現実感がある」という感じで、近い将来あり得なくはない世界の話が描かれているというところです。
物語のあらすじはこちらをご参照頂くとして、このエントリーを書いている時点の直近で話題になっている図書館戦争関連ワードはなんと言っても安保関連法案です。
具体的には特定秘密保護法。
あと、実写映画第1弾の時にはテレビ朝日の放送内容に対する政治圧力問題なんかもありました。
自民党から内容について圧力があったのではないかということで、まさに図書館戦争でも描かれている内容です。
アニメ映画の「革命のつばさ」が公開された時はたしか「東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案」の時。
いわゆる「非実在青少年問題」のやつですね。
図書館戦争の世界の中では、「メディア良化法」という法律が物語のキーワードとなっています。
これは、青少年に有害であるとか思想的に危険であるとかいう理由でメディアコンテンツを取り締まることができる法律です。
いわゆる検閲を行い表現の自由を侵害する法律として物語の中に登場します。
その悪法と戦う図書館の人々の話が、戦闘の部分は極端化されているとはいえ妙にリアリティがあって、現実と照らし合わせながら読むことのできる内容であるというのは物語に入り込みやすい要素だったなと思います。

それからもうひとつは、設定の細やかさじゃないかなと。
アニメや実写映画ではわかりやすく描写されることはありませんが、原作本ではその細かい設定が丁寧に描かれています。
メディア良化法の成立背景や軍事的な組織の仕組み、図書館に関する風俗的な歴史の部分なんかで、マニアックな設定が織り込まれていて楽しめました。
このバックグラウンドの重厚さが結果的にアニメや実写の軸になって、作品をしっかりしたものにしてくれているんじゃないかと思っています。
ちなみに、原作本の設定描写は、難しく考えずに読みたい人とかキャラ読みの人には苦手かもしれませんが、ご安心下さい。
キャラ、立ってます。大いに立ってます。キャラ読みでも十分に楽しめる作品です。
全体を通して正論や道理が会話やストーリーテリングの軸になってますが、それぞれのキャラの心情を加味したセリフも多いですし、言葉遣いも楽しめます。
話が逸れましたが、そこらの薄っぺらい作品とはわけが違うということです笑

今公開中の実写映画については、原作の中にある2つの話をうまくつなぎ合わせた内容で、原作ファンも楽しめる作品になっています。
どちらかというとエンタメの部分が強調されていますが、メッセージ性もしっかり伝わってくる良作だと思います。
スタントマン使ってねーのか岡田准一すげーな!って素直に思ったりしたし。
第1弾を見ていなくても楽しいと思うので、迷っている方や少しでも興味のある方はぜひ見てみて下さい。
ただ、戦争映画ほど生々しくはないですが戦闘シーンが多いので、心臓の弱い方はご注意を。

と、いう感じで、自分は図書館戦争がとても好きなんですが、この作品を通していつも思うのは、本当にこういう世界になりかねないなということ。
世間の無関心が来るところまで来てしまって、ついに安保関連法案も成立してしまった。
本当に様々なメディアが規制されて自分たちが手にするコンテンツが限られてくる可能性があるし、それに図書館が独立的に対抗するかもしれない。
今ものすごく危ういところに自分たちは立っていて、多分気がついたらいろんなものが手遅れになっているんだと思います。
そうさせない為にも、もっといろんなことにアンテナを張って、小さなことでも行動していくようにしないといけないなと思うわけです。
ちゃんと選挙行こう。せめて国政選挙だけは。いや、今までもちゃんと行ってたけどね。改めて。

以上、図書館戦争について、でした。
毎度のごとくとりとめもないですが、この辺で。